ホンノバ・プロジェクト —渋谷から東北へ
01_ホンノバ・プロジェクト過程
【ブックつりーからホンノバへ】
2011年に渋谷駅「跨線橋」(ブックつりー)、2012年は「109前」や「東急プラザ」(MOYAIさんが行く)、2013年には「ヒカリエ」(MOYAI book)と「Shibuya 1000」展で毎年、渋谷駅周辺の隙間的公共空間で新しいコミュニケーションを起こすことを目的として始めた「本の物々交換のための空間づくり」は、震災を機に2013年には「ホンノバ・プロジェクト」として渋谷と釜石を繋ぐプロジェクトへと発展しました。さらに学内の「子育てフェスタ」でも行い世代も広がりました。
02_釜石へ広がる「ホンノバ・プロジェクト」
「ホンノバ・プロジェクト」で集まった本は、2013年5月までに計300冊を建築家、伊東豊雄氏のご協力のもと氏の設計された釜石の「みんなの家・かだって」に送りました。また地元で復興活動を行うNPO@リアスの皆様や、伊東豊雄氏、同建築事務所の方々と学生の恊働で、釜石の方々のためにここに本棚を作り「ホンノバ」の空間をつくりました。さらに、同年6月に開催された「三茶 子育てファミリーフェスタ」にて集まった子ども用の本は、9月にNPO@リアスのご協力のもと「インターネットdeかだって」へ送りました。
【インターネットdeかだってにて】
03_釜石ウォーク
釜石は破壊された建物や瓦礫はすっかり姿を消し、綺麗に空き地が整地され、被災した建物のほとんどが取り壊されてなくなっています。外部から訪れた者にはここで起こったことを想像することは難しい状態です。そこで、6月にはNPO@リアスの主催する「釜石ウォーク」に参加し、釜石の現状を視察し、復興活動を行う関係者たちとも交流する機会となりました。
【釜石ウォーク】
04_桑畑書店との出会いから測量へ
釜石へ本を届けに行った際、被災した商店街に鉄骨のままで建ち続けている建物と出会いました。津波の痕跡を残しつつ、主体構造は傷んでいないこの建物は、老舗の「桑畑書店」でした。偶然にも書店であったことと、この建物の存在感に圧倒された私たちは、この建物をなぞりたいと思い、測量したいと考えました。現在は仮設商店街で営業されている桑畑氏のご協力もあり8月には測量が実現し、新たな「ホンノバ・プロジェクト」が始まりました。
【測量風景】
05_秋桜祭展示
「桑畑書店」の建物自体に震災の様子を伝える力があると考え、震災が風化しつつある東京から発信したいと考えました。2日間かけてすべて現地で測量し、その後、2次元、3次元図面に起こしました。これに基づいて1/6模型を作成し、関係写真とともに2013年11月9日、10日、昭和女子大学、秋桜祭にて展示しました。模型制作や写真の展示を釜石関係者や多くの方が見学してくださり、伊東豊雄氏もいらしてくださいました。
さらに、「アーキニアリング展」にも模型写真を出展しました。
さらに、「アーキニアリング展」にも模型写真を出展しました。
06_恵比寿スタジオフォーラム展示
2014年2月22日から28日には仮設で奮闘される桑畑氏やNPO@リアス、建築家、伊東豊雄氏や写真家、菊地和子氏のご協力もあり、NPO法人「これからの建築を考える」伊東建築塾「恵比寿スタジオ」にて今後の提案を表現した「桑畑書店」の1/6 模型の再展示と、釜石の写真やビデオ展示「ホンノバ・カタリバ」展を行いました。また、22日には、活動の経緯や釜石でのプロジェクト実現に向けた提案を「ホンノバ・カタリバ」フォーラムにて発表しました。釜石の方や伊東氏、沢山の参加者の方々との意見交換の機会となり、この場が「ホンノバ・カタリバ」となりました。
07_新建築掲載記事