既に実施された多彩なプロジェクトの活動報告を掲載しています。

セタコレブック2014

名称未設定 1
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プロジェクト名:セタコレブック2014
担当教員:金子友美、金尾 朗、橘 倫央、内田敦子、菅井さゆり
コラボ外部団体:IID 世田谷ものづくり学校
プロジェクト内容:
2013年度の活動「配財プロジェクト with SWU」をうけて2014年は、IID 世田谷ものづくり学校とコラボレーションし、世田谷区の「廃材」を「配財」に変え提案することで、地域産業の振興に寄与したいと考えています。これは廃材(通常廃棄物となってしまうもの)をデザインやアイデアによって配財(価値あるもの)へと変えて世の中に発信する活動です。活動成果を1冊のブックレットにまとめることを目標にしています。

協力:一般社団法人 配財プロジェクト
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リンクHPのURL:
IID 世田谷ものづくり学校 http://setagaya-school.net/
一般社団法人 配財プロジェクト http://haizai.jp/


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セタコレブック2014 報告

01_プロジェクト始動
2014年5月26日、今年度のプロジェクト「セタコレブック2014」が始動しました。環境デザイン学科の1・2・3年生合わせて25名、教員・助手5名の体制です。まずは顔合わせミーティングを行いました。2013年度の「配財プロジェクト with SWU」の説明と2014年度は世田谷区を舞台に活動することについて確認しました。
6月9日、8つのグループに分かれて世田谷区の人口や産業などの基本情報を調べ、発表しました。また6月23日にはIID 世田谷ものづくり学校にてミーティングを行いました。こちらでは世田谷区の製造業について、地域毎に調べた結果を発表しました。またIID 世田谷ものづくり学校の方から世田谷区の製造業についてのお話もありました。

世田谷区の製造業についての発表

世田谷区の製造業についての発表

IID-世田谷ものづくり学校での発表

IID 世田谷ものづくり学校での発表

02_世田谷区の製造業を知る
大学の夏休みを利用して、世田谷区内製造業の会社にアポイントをとり、見学させていただきました。特殊インキや計器、木材加工、金属加工といった多様な製造業が世田谷区内にあることがわかり、住宅街のイメージが強い世田谷区にそうしたものづくりの現場があることが新鮮な発見でした。

色の基本知識について説明を受ける(成東インキ製造株式会社)

色の基本知識について説明を受ける(成東インキ製造株式会社)

計器の説明を受ける(株式会社岡田計器製作所)

計器の説明を受ける(株式会社岡田計器製作所)

03_デザインを勉強する
会社見学とあわせて、ブックレットを編集するためのデザインの勉強も行いました。まずは自分たちでデザインに関する書籍サンプルを集めました。これは数多くの事例を研究することでブックレットの方向性を見いだすためのデザインリサーチでした。そして9月には、IID 世田谷ものづくり学校内にオフィスを構えていらっしゃるデザイナーの山崎正樹氏による特別レクチャーを受けました。和やかな雰囲気の中、山崎氏の作品とお話からプロの仕事に対する姿勢を学びました。

山崎正樹氏による特別レクチャー終了後の記念撮影

山崎正樹氏による特別レクチャー終了後の記念撮影

デザインサンプルを集めて皆で議論する

デザインサンプルを集めて皆で議論する

04_廃材から配財へ
10月からは本格的に配財制作に取り組みました。世田谷区内の製造業14社の皆様に廃材を提供いただき、その特徴をいかしながらデザインやアイデアで新しい物に生まれ変わらせる、配財制作は試作品をミーティングにもちより、皆で検討を重ねました。ミーティングは通常の授業が終わった後からスタートで、3時間にもおよぶことがありました。そして12月になると次第に配財作品の形が見えてきました。

毎週試作品を持ち寄って相談

毎週試作品を持ち寄って相談

ボードゲームの試作

照明器具の試作

照明器具の試作

ボードゲームの試作

05_配財で伝える
配財制作とあわせて、ブックレットの編集作業のため、6名の編集委員が組織され、全体ミーティングとは別に毎週月曜日の昼休みに編集会議を行いました。ブックレットの目的、誰に何を伝えるのか、大きさ、紙質、レイアウト、ひとつひとつ話合いながら決めていきました。そしてその結果を全体ミーティングにフィードバックし、編集委員以外からの意見も吸い上げるようにしました。

編集委員から表紙の説明

編集委員から表紙の説明

段々物の形が見えてきました

段々物の形が見えてきました

06_ブックレット完成、活動報告
2015年2月28日、昭和デザインオフィスのプロジェクト研究発表会にて、完成したブックレットを配布し、活動報告を行いました。今後はこのブックレットを世田谷区内各所、アップリサイクルの取り組みをしている会社・団体などに配布し、この活動を知ってもらうことで、世田谷区の製造業への関心が深まることを期待しています。

完成したブックレットとその1ページ

完成したブックレットとその1ページ

表紙には穴があいています

表紙には穴があいています

IID-世田谷ものづくり学校の方のコメント

IID 世田谷ものづくり学校の方のコメント

活動の流れと成果を発表する

活動の流れと成果を発表する

07_活動のまとめ
約9ヶ月におよぶこのプロジェクトは、学生25名、教職員5名の体制で行われました。成果物は1冊の小さなブックレットですが、その完成に至るまでの過程でも大きな成果があったと感じています。学生自らが製造業の会社にプロジェクトの説明を行い、アポイントをとりましたが、業務が忙しく取材を断られることやなかなか思うように連絡がとれないこともありました。そして自分たちの足で会社にうかがい取材をし廃材を集めたこと、これらのフィールドワークは普段の大学授業では得られない体験でした。
また廃材を配財に生まれ変わらせるために何を活かして何を変えるか、その過程はデザインを専攻する学生たちにとって貴重なトレーニングとなりました。
このプロジェクトが世田谷区の製造業に関わる皆様の一助となると同時に、参加した学生たちにとって大きな社会経験となったことが活動の成果といえるでしょう。
ご協力いただきました世田谷区内製造業に関する会社の皆様、IID 世田谷ものづくり学校、一般社団法人配財プロジェクトの皆様に感謝致します。ありがとうございました。